
イメージなので実際の気象図ではないです。
2018年は、次から次へと台風が発生したため台風異常発生と言われていました。
ニュースなどでも、台風の発生は異常に早いと話題になりましたけど、実際のところはどれほどペースなのでしょう??
しかも、どれぐらい多いものなのでしょうか??
台風は1951年から観測が開始されていますが、気象庁が公開している観測の歴史を辿ってみるといろいろと面白いことに気付くのでちょっと調査してみました。
現在の台風の発生状況
かなりのハイペースとは言うものの、実際にはそうでもない事ってありますよね。
では、今回の台風の発生数はそんな大げさを言っているのかまずはグラフをご覧ください。
これは、2000年から2018年の1月から8月までの各年に発生している、気象庁が発表している台風の発生数をまとめたものです。はっきり言って見にくくてすみません。
少し解説をしますと、赤の縦棒が2018年の台風の発生数です。
同じ月でも、6月だと2010年が5回で最も多くなっていまし、7月だと2017年が8回となっているのでひと月の台風の発生率は今年よりも高くなっています。さらに、8月も2010年が9回となっているので今年が一番多いわけではありません。
ただ、8月20日の時点での集計ですから今年の8月分はまだ11日ほど残っているので増える可能性がかなり高いです。現に台風20号が発表されたばかりなので、これからどうなるかまだまだ分からないですからね。
ちなみに、8月の台風の発生数が歴代で一番多かったのは1966年と1960年の10回となっています。ということで、今年はあと2回台風が発生すると歴代1位タイとなります。
なんだか可能性が高く感じますね。
最高数では今年は目立って多いわけではないのですが、6~8月までの間にグッと増えているので異常な発生量というよりも集中して発生している状態となっているのです。
いまは2000年から2018年までの月ごとの台風の発生数を見ていただきましたけど、今度は同じく2000年から2018年なのですが1月から8月までのトータルの台風の発生数のグラフです。
赤い縦棒が今年の現時点(8月18日時点)までに発表されている台風の発生のトータル数です。
先程、6月と8月にトップだった2004年は7月に2回しか台風が発生しなかったためあと一歩で歴代記録にはならなかったのです!!
とまあこうして比べて見てみますと、今年の台風の発生数は飛び抜けて極端に多いわけではないのが分かります。なので、異常な発生数かというとちょっと大げさ気味のようにも感じるような気がしないでもないですよね…
ただ、問題なのは8月中にあとどれだけ台風が発生数するかですよね。現在の台風が20号までなので、そのあとさらにもう2つ台風が発生すると8月の台風の発生数が歴代1位タイになりますから。
そしてもう一つ注目したいのは、9月にどれだけの台風が発生するかです。
ハイペースに台風が発生した場合は極端に少なく月があったりするので、今年はそのパターンもあり得るかもしれないです。
実際に去年がそうでした。7月に8回、8月に5回の台風が発生してからパッタと止んでから9月は4回だったので数はハイペースを維持することもなくスローダウンして平年並みに戻ったので、体感的に少なく感じたのを覚えています。

今年も、9月はペースダウンになるかもしれないですね。
太平洋でハリケーンが異常発生
ハリケーンも例年にない数が発生しています!!
ハリケーンとは太平洋の日付変更線を境界に、台風がハリケーンへと名称が変わります。
そのためカウントの仕方も少し変わるため、米軍合同台風警報センターでは日本での台風20号が23号になっています。
一つの代表例が、台風17号(ヘクター)が日付変更線をまたいだので、ハリケーンの名前が付いたまま台風とされましたよね。こちら側で発生していれば、台風17号(ルンビア)となっていたはずでした。実際には、台風17号にヘクターが付けられため、台風18号にルビアンが持ち越されて付けられることになりました。なんかちょっと複雑ですね…
そんなハリケーンが、太平洋側でも例年を上回る数が発生しています。
今年はこれまでに、6個のハリケーンが発生しています。
と言われても、これが多いのか少ないのか分からないですよね。
なので、2000年から2015年までの年間のハリケーン発生数をグラフでご覧ください。
2005年が飛び抜けて多いですけど、年間で10回以下が多いですよね。
表には載せきれなかったですが、2000年よりも以前のデータからハリケーンの発生を見ていくと、年間で4回が平均的となっています。
しかし、今年はすでに6回発生しているので、ハリケーン発生数もハイペースとなっているのは間違いありません。
台風異常発生の観測記録
1951年に観測が始まって以来、本当の意味で台風異常発生といえるハイペースで飛ばし続けた年があります。
その年が、1967年です!!
なんと、年間で39回も台風が発生した年となっています。
あと1回発生していたら40回の大台ですよ!!台風40号が発生しました…なんか違和感がありますね??
そもそも、30回を超えることがそうそうないですし…
最近で30回を超えたのは、2013年となっています。あれ?以外と最近じゃんと思うかもしれないですけど、その前は1994年の36回となっているので10年近いブランクがありますから凄いことです。
1967年が39回までいったのは、7月が7回、8月と9月がそれぞれ9回とまとまって台風が発生したこと。さらに、2月から6月までに6回も発生しているので9月の時点で31回も台風が発生しているんです!!
これは間違いなく異常です…
大げさでもなんでもないです…
7月から9月で、25回も台風が発生していたらそれは普通じゃないですよね??
単純に想像しやすく平均してすると、週に2回ずつの台風が3カ月も続くと考えたら恐ろしいレベルじゃないですか!?
しかし、これは空論ではなくて実際に50ほど前の1967年に起きているのです!!
39個もの台風が発生したのなら、さぞかしたくさんのは台風が上陸して被害も多かったのでは??と思いますよね。
でも興味深いことに、発生した台風39個中上陸したのはなんとたったの3回なのです。
なので、同時はそこまでたくさんの台風が発生したなんて、気づいていなかった人もたくさんいたかもしれないですね。
観測史上異常に多かった台風上陸
台風の発生が多ければそれだけ上陸するわけではないように、ただただ上陸数が多い年もあります。
逆に台風の上陸が異常に多かったのが、2004年です!!
一年間の台風発生数は29回で、上陸したのはなんと10回もあります。
割振りとしては、6月に2回、7月に1回、8月に4回、9月に1回、10月の2回となっています。
6月から10月まで毎月台風が上陸しているんです!!
ある意味、異常な年です…
平均的にみると年間で、2~4回ほどの上陸となっているのでやはり10回は異常ですね。
比較として、去年(2017年)の最後の台風上陸は10月で、上陸した数は一年間で4回でした。
今年(2018年は現時点での上陸数は、2回なので上陸数はいまのところ平年並みとなっています。最後の上陸になるのは、10月まであり得るのでまだまだこれから可能性が高いので気を付けたいですね!!
観測史上異常に少なった台風
台風発生が多いことについて取り上げてきましたけど、逆に少ないパターンもあります。
例えば台風の発生数が極端に少ないのが、2010年です。
14号までしか台風が発生しませんでした。
20号まで達しなかったのは、1998年が16号まで、1969年が19号までとなっていて観測史上で3回しかなく、2010年は異常に少ない年となっています。
これはこれで、違った意味で台風発生の異常な年です。
また、上陸した台風がなかった年もあります。
1984年、1986年、2000年、2008年です。
観測史上では4回なので、これはこれで珍しい年ですよね。
台風も来ない時は来ないですもんね。
台風観測史上歴史についてのまとめ
台風が異常発生する年もあれば、極端に少なかったり来ない時さえある…
台風も奥が深いですよね。
現代は、温暖化の影響があるので何かと異常気象になりやすいですけど、台風もこれから観測史上を塗り替える記録が増えてくるかもしれませんね。
今回は、数値だけをみているので数だけで台風の被害を決めることはできないので、少ない上陸数でも強烈な台風が一つくればその分甚大な被害がでるのでこれからくる台風たちにも万全の注意を払っていきたいですよね。
いまは、スーパー台風も懸念されている時代ですから…





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