PM2.5 – ほんとうに有害? –

靄にがかかる

黄砂と同じよな時期によく耳にするため、同じもののように聞こえがちな「PM2.5」
いったい何者で、なぜ毎年注目を浴びるのでしょうか?
いつも黄砂と同じ時期に取り上げらるけど、別のものなの?
今回は、その答えに注目します。

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PM2.5とは

簡単にまとめますと、極小さな粒の形をした物質の大きさの事を表わしています。

そもそも、PMとは英語のParticulate Matter」の頭文字をとったものなのです。
そして、これを「微小粒子状物質」という意味になります。

その大きさが、直径2.5μm(マイクロメートル)なので「PM2.5」と呼ばれています。
PM1.0も耳にしますが、これは大きさがさらに小さくなった微小粒子状物質を意味しています。

とは言っても、空気中では目には見えない大きさの粒なのでわかりやすくまとめると、このようなイメージになります。

このような感じで、空気中には色々な物質となるものがフワフワと浮いているような状態で存在しています。

見えないので意識することもないですし、意識し過ぎても生活できないですけどね。

PM=微小粒子状物質のそもそもの意味ですが、もともと自然界に存在するものであれ、化学的に人工で作り出した物質であれ、全ての物質を含めたものを言います。
ですから、自然現象の火山灰や黄砂も含まれます。

しかし、近年において有害物質による環境汚染が問題となり、大気汚染の原因となる微粒子全般の事をPM2.5という名称で用いられています。

では、どのようにPM2.5は有害とされているのでしょうか?

PM2.5の主な成分

無機元素成分亜鉛、アルミニウム 、アンチモン、カリウム 、カルシウム、クロム、ケイ素 、コバルト、サマリウム 、スカンジウム、セシウム、セリウム、セレン、ナトリウム 、タングステン、タンタル、チタン 、鉄、銅、トリウム、鉛、ニッケル、バナジウム、ハフニウム、バリウム、ヒ素、マンガン、 モリブデン、ランタン、ルビジウム等炭素成分
有機炭素、元素状炭素イオン成分
アンモニウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、硝酸イオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン等

パッと見てわかるように、普段から見かけることのある成分もたくさん入っていますよね。
これらの成分が発生源から直接的、または空気中で光化学反応などを起こして変化した成分となります。

そうです、これらの成分が本来のあるべき量よりも過剰な量となったり、有害物質へと変化するので私たちの身体に害を及ぼし始めます。

発生原因

自然界からは、黄砂や火山の噴煙が代表的です。

家庭からは、喫煙やストーブの燃焼時などからも発生しています。
目立って知られているのは、自動車や船舶や飛行機の排気ガス、工場や火力発電所などからの煤煙です。
煤煙とは、煤(すす)が発生する煙の事ですが、基本的には大気汚染物質となる有害な物質のことを指します。

しかし、自然のものと違い人口的なものは、化学反応を起こしさらに有害なものへと変化していくため直接だけではなく、二次的にも害を及ぼします。

残念ながら、自然現象のものも例え無害であっても、上空を舞っている間に有害物質に接して、吸着したりしてしまうために有害物質となってしまいます。

黄砂とPM2.5は同じ?

よく黄砂とPM2.5は同じに捉われがちですが、実際には区別されています。

黄砂は基本的に粒が大きいので、2.5μm(マイクロメートル)より2~3倍ほど大きいものが多いようですが、日本にまで到達するためには比較的小さくて軽いものでなければ約3000kmほどの大移動の前に落下してしまいます。

ですから、黄砂の中にも2.5μm(マイクロメートル)の粒やそれ以下の、ごく微小な0.2~0.5μm(マイクロメートル)といったサイズの粒もたくさん含まれています。

その小さな粒が、大移動の途中で有害物質を拾い集めながら化学反応を起こしたり混合物となって日本に着陸するならば、残念ながらそれは黄砂ではなくPM2.5となってしまいます。

つまり、黄砂であっても大きさが2.5μm(マイクロメートル)以下で、有害物質となるならPM2.5と呼ばれるという事です。

そのため黄砂とPM2.5は同じかどうかは、状態によってある意味では「YES」ですが、ある意味では「NO」という微妙な関係になっています。

ピークの時期と濃度

2月~5月が最も濃度が高くなっています。
黄砂の時期と同じ春先の季節が、気象条件が揃いやすいようです。

しかし、PM2.5は黄砂よりも少し長く7月になっても、濃度が高くなる日があるので外出時や洗濯物を干す時には注意が必要です。

夏から秋口には、濃度が低い位置で落ち着く傾向にありますが、日本の定める環境水準の最も低い値をキープしているだけで、ゼロになるわけではありません。

濃度規準

ビルと霧

環境省によって基本規準が定められています。
それが、「1年平均値が15μg/m3以下であり、1日平均値が35μg/m3以下であること」となっています。
※単位は、「マイクログラム・パー・立方メートル」と読みます。

さらに危険を促す注意喚起の濃度として「1日平均値70μg/m3」が水準とされています。これは、注意喚起のための値であって、この濃度を吸ってしまうと即座に死に至るといったものではないです。

ただし、人によって反応が違うので、特に呼吸器疾患がある方や循環器系疾患がある場合は、命に関わる危険のある数値となっているので注意してください。
さらに、高齢者の方や子供などにとっても注意が必要なレベルとされています。

私の娘が通っている小学校がそうなのですが、こうした水準を超える時は体育や休み時間など、外での活動を禁止するといった対応をしている所も多いことでしょう。

ピークの時期には、100μg/m3を超える地域も出てくるので、こうした数値は覚えておくと役に立ちます。

まとめ

PM2.5は、テレビでよく取り上げられるので、注意する必要があるのはわかっていてもなかなかそこまで詳しく考えなかったりしますよね。
しかし現代において私たちにとっては、極々身近な存在となっているのは間違ありません。ですから、なぜ避けるべきなのか、いつがピークで気を付ける必要があるのかを是非とも銘記していければと思います。

 

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