台風 -どこへ行くの?台風情報で知る –

大雨や暴風によって、毎年必ずと言っていいほど何かしらの被害をもたらす「台風」

最近では、進路が九州沖縄地方よりも、本州のあちらこちらに上陸したり、北海道に上陸したりと、今までにない被害をもたらしています。

いつ、自分の所に上陸するかわからなくなった台風に備えて、台風情報から何を知ることができるか知っておくことは結構大切です。

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台風の強さを知る

台風が日本に近づくと、ニュースなどで「非常に強い台風が猛威を振るいながら…」と言うの耳にするようになりますよね。

天気予報で発表している、台風の強さの規準とその名称についてはこうなっています。

台風の強さ表

気圧

このように、台風の強さには気圧が関係しています。
そのため、気圧であるhpa(ヘクトパスカル)の数値が低ければ低いほど強い台風と呼ばれようになります。

最大風速

気圧が下がる事で「最大風速」も強くなってきます。
そもそも、風はずっと同じ強さで吹き続けることはありません。
時には弱く、時には強く吹き付けてきます。
その風の動きを計測し続けて、10分間の平均的な風速を測定した数値が「最大風速」となるのです。
単位はm/s(メートル毎秒)で、1秒に何メートルの速さかを示しています。

発達し過ぎると…

最も最大レベルのスーパー台風が懸念されていますが、これは別格のレベルの台風です。
平均しても、1秒間に70mの速さの風が吹くのですから尋常ではないですよね。

2013年11月4日午前9時頃にフィリピンを中心に大規模な被害をもたらした「ハイエン」が、まさにそのスーパー台風でした。
死者は2300人以上、被災者は約950万人ほどで、これはフィリピンの全人口の約1割に相当します。
一部の地域では、家屋や建築物の70%~80%が倒壊するほどでした。

ですから、気圧の低い台風は最大風速も強くなるので注意が必要です。
しかし、台風の恐ろしいさは「最大風速」だけではありません。

瞬間風速は重要なチェックポイント

最大風速とは別に、「最大瞬間風速」というものがあります。
これは、そのままの意味で瞬間的に発生する風の最大値の事です。
台風の恐ろしさは、この瞬間風速の強さの要因は大きいと思います。

瞬発的に吹き付ける風の強さこれだけの破壊力があります。
しかも、不意を突くかのように発生するのでとても危険です。
テレビのニュースでご覧になることもあると思いますが、トラックの横転や太陽光パネルが剝がれ飛んだりするしている姿はまさにこの「最大瞬間風速」の力による影響と言えます。

瞬間風速の実体験

実際にその瞬間風速の脅威を、台風の本場となってしまっている沖縄の離島で経験した事があります。

あまりの強い風と雨だったので、雨の一粒一粒がまるで針に刺されたかのように痛い状況でした。もちろんそんな時は、島の人は危険をよく知っているため誰一人として家から出ていませんでした。

しかし、放牧してある牛舎の柵が壊れて牛が逃げていないか見てくるようにと言う指示があり、千葉の街中で育った私は台風に対する大した危機感もなく点検に行く事にしたのです。

言われた通り強風の影響で、柵が見事に壊れて牛が20~30頭ほど逃げている状態でした。
しかし、雨が痛くてまともに目も開けられず牛を牛舎に戻すのも一苦労…
牛もそんな天候では、自分たちの身を守るために必死な状態。
悪戦苦闘し、やっと牛を牛舎に追い込んで壊れた柵をとりあえずロープで仮修理をしていたその時の事でした!!

その牛舎が山の麓にあったため、山からの吹き下ろしの風が障害物一つない牧草地の草原を駆け抜けて、草をなぎ倒しながら加速して吹き付けてくる様子が見えたその瞬間です!!

それまで吹いていた風とは明らかに違った突風に足をすくわれて、ウソのようですが漫画のようにヒラヒラ~と浮かび上がってしまいました!!

実際には一瞬の事だったと思うのですが、そんな時は大げさに感じるものですよね(笑)
タイミングよくロープを握っていたのでケガもなく無事でしたが、もしなかったとしたらとどうなっていたのでしょう…

いまでは笑い話のネタですが、貴重な体験でした。
後でわかったのですが、風速の50m/sまで測れる風速計が計測しきれずに壊れていたそうです。

台風の恐ろしさの一つが、まさにこの瞬間風速なので一見は大したことのないように見える台風でも侮ることはできないので、この点も予報に注意を払っていきましょう。

台風の大きさ

台風には大きさもあります。
とは言っても、分類されるのは2つです。

風速15m/s以上の半径が500km以上~800km未満を大きい(大型)

そして、800km以上を非常に大きい(超大型)と呼びます。
風速15m/s以上というのは、強風域を指すので強風域の半径の大きさで決まる事になります。

大型は、大体で言うと本州の2/3を覆うほどです。
超大型は、九州と本州をスッポリと覆ってしますほどの大きさになります。

そのため、単純に大きければ大きいほど上陸する可能性は上がっていきます。

台風の進路を示してくれる進路予想図

進路は日本の300kmまで近づいた時から、気象庁によって天気予報などで台風予報として扱われる決まりになっています。

進路予想図:

天気予報で進路予想図を、各メディアによって少しデザインが違いますが、基本は全く変わりません。

予報円

だんだんと円が大きくなっていく白い色の円のことです。
これは「円のどこかに移動する確率が70%ありますよ」という意味なので、円が大きければ大きいほどまだ予測が難しいことを意味しています。
そのため急激に進路を変える可能性もあるという事です。

例えば、上の図のように円の北寄りと南寄りでは大きく進路に変化がでます。
台風の性質によっては予報円が大きくなりますが、現代の天気予測技術は優れているのでここまで極端にはならないと思います。
しかし、そうした可能性がある事を示しているので、円が小さくなってきてからでないと確立的にまだわからないので注意が必要です。

台風の右側は危険?

進路方向に関して、台風の右側に入ると危ないと良く言われていますが、基本的には台風と台風を東に押していく偏西風が加わるため強くなりやすい傾向にはありますが必ずではないです。

渦が時計回り+偏西風=強くなる

という場合だけなら強くなると言えるのですが、台風は半時計回りのものあるので必ずではないのです。
ですから、台風の接近そのものに注意を払っておくことの方が重要です。

もし気になる時には、台風の衛星画像を見るとわかります。
気象庁のホームページでは、「気象衛星」で確認できます。

強風域と暴風域

進路予想図で出てくる円は、色で分けられています。

黄色の円

「強風域」です。
「強風域」は最大風速が15m/s以上の領域を示しています。
赤の円

「暴風域」を示しています。
「暴風域」は最大風速が25m/s以上の風が吹いているか、またはその風の障害となるものなどの影響がない場合に、吹く可能性のある領域を指しています。

そして、暴風域には白い円の外側に「暴風警戒域」として赤線で囲まれて示されているのを目にする事もあると思いますが、台風の中心の移動先によっては暴風域に入る可能性がある事を示しています。

移動速度

しかし、最初は速度が遅い台風でも進路の先にある高気圧の影響によっては押されてしまい速度を遅める事もあります。
ですから、その時の条件によっては速度を速めたり逆に遅くなることもあるので迷走する台風もあるのです。

夏台風と秋台風によっても、違いがあります。

基本的には、偏西風や貿易風に乗ると速度が上がります。
また、上陸するとエネルギーの供給源を失うので、さらに速度を早まる傾向にあります。

ですから、移動速度は注意していないと暴風対策をする間もなくあっという間に近づく事もあり得るので、しかっりと移動速度にも注意を払いましょう。

まとめ

台風は、年間平均で約26個ほど発生しています。
そして、そのうち平均で3個が日本に上陸しています。
また、上陸しなくても平均で約11個の台風が日本から300km以内に接近しています。
夏から秋の初め頃までにこれだけの発生数と確立ですから、日本のどこかにほぼ確実に上陸する事になるので、進路の見方はしっかりと抑えておきたいですよね。

「この台風は大丈夫だな。」と決め込んで情報を適当に見ている時に限って、危ない進路に来ていバタバタと台風対策をすることもありますし…

ですから大きさ、気圧、最大風速、最大瞬間風速、強風域と暴風域、移動速度と確認が多いように思えますが、未然に被害を防いでいくために台風情報を活用して早めの対策を心がけたいと思います。

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