爆破的な突風を巻き起こす – ダウンバースト –

ダウンバーストの予感

突然の突風のによる被害ニュースが、最近増えていますよね。
とてつもなく破壊的な気象災害の種類の一つ、それが「ダウンバースト」です。
これからこうした災害が増えていくので、実際の被害実例を通して注目しておきたいと思います。

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ダウンバーストなぜ起こる

竜巻雲

ダウンバーストを恐ろしい気象現象の一つとなっています。

夏場によく起こる地上に温かくて湿った空気、上空に冷たくて乾いた空気といった条件によって、積乱雲を生み出します。

そして、その積乱雲の中で生み出されていくのですが、雷や竜巻の発生に少し原理は似ています。

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ダウンバーストの場合は、積乱雲の中で降水粒子が周囲の空気と摩擦を起こすことで、まず下降気流が発生します。

そしてその下降気流が、積乱雲の底の方に溜まっていくことで、積乱雲の下部の気圧が高気圧に状態になります。

ついに耐え切れなくなるまで溜まった下降気流は、爆破的に勢いよく地上に向けて放射線状に広がって放出されます。
竜巻との違いは、渦を巻かずに直線的に吹き付ける点です。

ダウンバーストの発生イメージ

その勢いは、日本でも被害が気象庁によって観測されている限りで、最大瞬間風速35~50m/s(毎秒メートル)の突風となって破壊的に吹き付けるのですからたまったものではありません。

風速の強さ破壊力については、以前の記事で「瞬間風速と状況の変化」の簡単な表を作成していますので、よろしければご覧になってみてください。 ‎

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ダウンバーストのクラス分け

ダウンバーストには、風向きと風速の広がりの規模によって分けられています。

マイクロバースト:広がりが4キロメートル以内
マクロバースト:広がりが4キロメートル以上

パッと見たらそっくりですが、4キロメートルを境に分類されています。

ダウンバーストの身近な影響力

飛行機はダウンバーストの影響を受けやすい

最も身近に影響を受けているのが、飛行機です。

このダウンバーストの強い影響で離れた所から近づくと、向かい風になるため揚力ば増すので高度が一度上がります。

そして今度はダウンバーストの中心近くで情報から押さえつけられて、抜ける時には追い風を受ける事になるので、揚力は減少し飛行機の高度が急激に下がってしまうのです。

機体が少し上がってから急激に下がる動きをするので、着陸時や離陸直後などでまきこまれると思うようにコントロールが効かなくなるので、規定のコースから外れやすくなってしまうことになります。
そのため、離着陸事故の原因となる可能性をもっているのです。

実際の事故例

1975年6月24日 アメリカ・ルイジアナ州でのイースタン航空66便墜落事故

高度500メートルを飛行中に、大きな積乱雲の影響で前方は激しい雨で視界は妨げられている状況。
それでも着陸態勢に入る事ができたのだが、ダウンバーストの強い影響による爆破的な下降気流高度によって急激に高度を下がっていることに気づかず、危険を感じて着陸態勢を整える手順を踏もうとするも間に合わずに、滑走路手前2400フィートの所にあった誘導灯に激突し、その勢いで機体は旋回。
さらに炎上したことにより搭乗者数124名中、最終的な生存者は9名だけの大惨事となってしまいました。


1982年7月9日 アメリカ・ルイジアナ州でのパンアメリカン航空759便墜落事故

ニューオーリンズを離陸したから高度を上昇させている時に、急激に今度を落としそのまま立て直すことができず、住宅街にあった木々にぶつかりながらコントロールを失い墜落。
乗務員と乗客145名すべてと、墜落現場で巻き込みまれた8名の命を奪う結果となってしまいまいした。


1985年8月2日 アメリカ・テキサス州でのデルタ航空191便墜落事故

着陸態勢に入っていたところ、急降下及び旋回し、滑走路手前にある高速道路に接触し滑走路手前の空き地のタンクに激突したため、爆発炎上してしまった。
そのため、乗員乗客134名と高速道路を走行中だった運転手1名が命を失ってしまう事故となった。


1993年4月18日 岩手県花巻市での日本エアシステム451便着陸失敗事故

経験のない副操縦士が操縦するなどの運行規制違反があったのが主な原因と言える事故。
ダウンバーストによる影響を考慮に入れての着陸経験がなかったのもあり、本来の着地点よりも手前に勢いよく着地してしまい、右主翼を激突。
そのため、右主翼は炎上し黒煙をあげながら滑走路を蛇行しオーバーランをしてから停止。
乗員5名乗客72名のうち、重傷3名、軽傷55名の死者はでなかったとは大事故となった。


地上での被害

飛行機の事故例を取り上げましたが、もちろん地上にでもその力の影響は凄まじいものがあります。
2016年7月から2017年8月までに気象庁のデーターでは、ダウンバーストが原因されている被害は栃木、岡山、熊本、埼玉、群馬などで発生しているのが確認できます。

主な被害:

倒木

屋根の飛散、ビニールハウスの倒壊。
大木が倒れ、ソーラーパネルがはがれ飛ぶ、車の横転、窓ガラスが割れる。

といった被害が、身近いで起きています。
突然思ってもみなかった、予想外の大きな被害をもたらすのです。

ダウンバーストの対応策

被害ばかり考えていると、飛行機に乗るのが怖くなったりしてしまうかもしれませんが、ご安心下さい。
科学の力で、しっかりと探知できるものが現在は設置されていますので。

ドップラーレーダー

ドップラーレーダー

気象の降水に関するレーダーとしてだけでなく、降水粒子から反射される電波のドップラー効果(パトカーなどのサイレンの音が、遠くと近くでは音の高さが異なって聞こえる現象)を用いて測定できる優れたレーダーがあります。
マイクロバーストの98%を探知できると言われるほどの精度です。

このレーダーによって、積乱雲からの瞬時に発生する降水粒子の動きをチェックしているので、飛行機の着陸時にダウンバーストによる影響があるかどうかのやり取りを管制塔と行ない、危険な場合は無理に着陸しない事になっていますので以前のような事故は起きていませんから大丈夫です。

気象庁のナウキャスト

こうした情報は、私たちにも提供されています。
気象庁のナウキャストでは、主に竜巻の発生確率を知ることができます。
突然の突風も含めて注意を喚起してのレーダーなので、外出の際などに怪しい天候の時には確認してみるといいと思います。

保険で備える

家屋:

未然に防げればいいのですが、気象現象を変えることは不可能ですから、もしものための保険で備えておくのも防衛手段の一つと言えます。

ダウンバーストのような災害に実際にあってしまった場合、火災保険の申請で保険金がおりている事例があります。

一番被害パターンの多い、屋根の損傷に関しては風災補償で適応されるので、改めて保険の見直しをされてみてはいかがでしょうか。

ソーラーパネル

ソーラーパネル:

太陽光発電は、長期的に使用して初めて本当の利益になるので、自然災害で壊れてしまっては大赤字となってしまいますよね!!

メーカーによる保証は、10年から長くて25年が一般的なので大丈夫だと思っておられるかもしれませんが、故障についての保証はあっても、ほどんどのメーカーは自然災害の補償はしてくれません。

調べた範囲では、「京セラ」と「Qセルズ」は補償に入っていますが、気になる時には直接ご確認してみてください。

京セラ(修理・メンテナンスに関するお問い合わせ) 0120-71-9006(無料) 24時間修理受付
Qセルズ(お問い合わせ) 詳しくは問い合わせて確認が必要です。

その他のメーカーでは、損害保険会社で別にかけておかないと残念なことに、自然災害での故障は修理してもらえようです…

まとめ

現代は科学の進歩のおかげで、前もって危ない気象情報を知る事ができています。
おかげで飛行機も安心して、乗る事ができていますし。
年に一回程度ですが、飛行機に乗るのでありがたい限りです。

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