高波 – 決して甘く見てはいけない –

高波

台風の時に発生する、「高波」
台風には注目しますが、意外と知られていない面が多く侮れがちですが恐ろしい自然災害の一つと言えます。

そもそも高波は、どのように発生するのでしょうか?
そして、実際の歴史が示す高波の恐ろしさは何を物語っているでしょうか??

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高波とは何か

高潮の波

高波の発生は、台風などによる強い低気圧を原因とする二つの効果が関係して発生する波です。

吸い上げ効果

海の普段の状況は、海面が気圧によって強く押さえつけられています。
気圧が低気圧なると海面を押そうとする力が弱くなるために、「吸い上げ効果」という状態になり水面が上がってしまいます。
ボールを力強く押さえている状態から、力を抜くとボールも元の形に戻ろうとする状態を想像していただく分かりやすいかもしれません。

 

吹き寄せ効果

もう一つ現象が、低気圧によって発生する強風が沖合から海岸に向かって吹き付ける、「吹き寄せ効果」です。
バケツなどに溜めた水にドライヤーで強い風を一方向から集中して当てると、ミニチュア版を再現できます。

 

高潮状態

これらの現象によって海面は「高潮状態」になり、海面が見慣れた水位よりも異常に高くなります。
そのために海は荒れて強くうねり、さらに台風が接近する事で強風がさらに強まり波が煽られることで、普段では考えられない高い波造り上げられるというわけです。

 

ですから高波は、一つの波自体の長さは短く次にくる波との周期も狭い間隔で何度も大きな波が打ち寄せてくるのです。
そのため、津波のようなスピードと勢いはありません。

そのためこれだけ聞くと、大して大変な状況になるようには聞こえないのですが、実際の高波の被害を知ると侮れないことがわかります。

高波の被害の恐ろしさ

実際の記録は、高波の破壊的な力を明らかにしています。

・1959年9月の伊勢湾台風では、約5000人もの犠牲者が出ていましたが、その7割ほどが高潮による被害といわれています。

・1999年9月の台風18号では、熊本県不知火町で、高潮により12人の方が亡くなられています。

・2006年8月の台風23号は、高知県室戸市菜生海岸の海岸堤防が上部1.5mが30mにわたって倒壊しました。
そして、損壊した防潮堤のコンクリート塊や大量の海水と流木が住宅地に流れ込んでゆき、死者3人、軽傷者2人、住宅の全壊5棟、半壊3棟、一部破損4棟、床上浸水6棟、床下浸水3棟の被害をもたらしました。
この時の高波は、国土交通省の記録でなんと13.55mに達していたそうです。
マンションなどのだいたい4階に相当します。

・2016年10月に台風18号に、韓国で停泊させていた漁船の状態を確認していた男性が、高波にさらわれ亡くなられています。また一時行方不明の方もおられました。

昔の話しだからというわけではないのがわかります。

実際の経験

与那国島での高波

私も実際に沖縄の与那国島で高波を経験しましたが、その時には高波の存在も恐ろしさも知らずに、台風が直撃しいるにも関わらず、友達と面白半分で車で出かけた時のことです…

海沿いの道路で道路脇は10mはある崖だったので、波など来ないと思い込んでいました。
しかし普段は絶対に波が打ち上げてくることが絶対にない、ある崖の下からの波が突然道路に激しく何度も打ち寄せ、車が丸ごと波にのまれてしまい、あわや横転するのではないかと思うほどの勢いで巻き込まれた事があります。
ワイパーを最大に早くしても前方は全く波で見えなくなり、まさに映画の世界のようにハンドルも取られて生きた心地のしない状態だったのを鮮明に覚えています。

最近は、防波堤などの設備もしっかりとしていますが、予期しない被害をもたらす可能性を秘めているのは間違いありません。

まとめ

意外と甘く見られがちですが、場合によっては津波に相当する高さにまで達するので、想定外の破壊力を発揮する可能性が多いにあり得ることが良くわかります。
しかし、特に台風などによる強い低気圧を原因とするために、ある程度予測がつけやすいとも言えます。
ですから、たとえ慣れている場所であっても、台風の時には油断は禁物です。
とりわけ沿岸近くに住んでおられる方は、天気予報の情報に敏感であっていただければと思います。

 

 

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