ここのところ噴火が続き注目を浴びている、新燃岳。
しかし、新燃岳と聞いてもあまりピンとこない方も多いのでは?
自分も含めて、近隣の人にとっては心配や影響がでていますが、旅行で観光する時にも知っておくと役にたつと思いますので、新燃岳についての情報を最近の状態も含めてまとめておきたいと思います。
新燃岳とは
新燃岳(しんもえだけ)は、九州南部の霧島連山中央部にある標高1,421mの山です。
霧島連山は20以上の火山が集合する火山群となっています。
位置としては、噴火口およびカルデラは鹿児島県霧島市ですが、尾根筋は宮崎県小林市にあるので、鹿児島県と宮崎県をまたがる山でもあります。
もともと噴火を繰り返している元気な活火山となっています。
とは言っても、桜島ほど活発に活動しているわけではないです。
今回の噴火は、6年ぶりになっていますから、それなりのスパンがありますね。
しかし新燃岳が噴火してしまうと、錦江湾からは桜島の火山灰が降り、霧島からは新燃岳の火山灰が降る状態になってしまうので、頻繁に火山灰が降ってくるのは厄介なんですよね…

霧島連山付近は観光名所
霧島連山は、観光地としても人気の場所となっていて、景色や眺めは最高に美しい所です。
季節によって楽しみは違いますが、個人的に春の新緑とキリシマツツジと、秋の紅葉は楽しみの一つとなっています。
「道の駅 霧島」に併設してある、ナニコレ珍百景でも扱われた「霧島神話の里公園」からの眺めやスーパースライダーは子供も大人も楽しめるレジャースポットとなっています。
さらに、霧島連山に向かって進んで行くと「霧島温泉郷」があります。
こちらも人気のスポットとなっているので、一年を通して観光や癒しを求めてくる人がたくさん来ているのを目にします。
うちは、家族でホテルバイキングを食べにいって温泉に入って帰ってきたり、友人の管理している別荘に家族で温泉に入ってゆっくりとした時間を楽しみに行ったりしています。
こうした豊富な温泉が湧いているのも、火山があるからこその楽しみになっています。
霧島連山付近まで行くと、「大浪の池」や「韓国岳」まで登ったりするちょっとした登山を楽しまれる方も多いです。
「不動池」は、車からすぐに覗ける火山地域だからこそのカルデラを楽しむ事もできるんです。
そして、冬季限定で「えびの高原」では、天然のスケートリンクができるので子供たちから大人まで、楽しみの多い場所となっています。
多くの温泉を初め、他にもまだまだあるのですが、ほんの一部の新燃岳に近い観光地を紹介させていただきました。
しかし、6年前の噴火の時には県道などに規制がかかってしまい、新燃岳に近い観光地は思うように行けなくなる期間がありました…
では、今回の噴火では…??
新燃岳の現在の状態
気になるのは、現在の状況ですよね。
6年前からの流れとしては、以下のようになっています。
噴火警戒レベル3(入山規制)を継続していましたが、2年ほどしてから噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き下げました。
噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)にまで引き下げのも束の間で、9月23日頃から火山性地震が増加したので…
新燃岳の2017年10月から11月の動き
再びレベル2(火口周辺規制)に引き上げることになりました。
噴煙が火口縁上700mまで上昇し北東側へ流れるほどの噴火がありました。
噴火警戒レベル3(入山規制)に引き上げました。
この噴火警戒レベル3になったのが、6年ぶりとなったわけです。
噴煙が2000メートルまで上昇。
この時にたまたま、新燃岳と桜島が遠くから見える位置にいたのでその時の写真です。
ちょっと分かりにくいですが、右側の雲に見えるところが2017年10月12日の新燃岳の噴火です。
かなり遠くからのショットなのですが、後ろを向くと…
かなり靄(もや)が強いですけど、桜島がちょっとした噴火している所でした。
前と後ろで、二つの山の噴火を見ることができました。
安全を確保できるこうした場所からなら、ある意味いまだけの光景となっています。
この日は特別に靄(もや)が強い日だったので、普段ならもっとハッキリと見えるのでいい記念になるかもしれないですね。
噴火が継続中です。
噴火は停止した模様です。
火口からの警戒範囲を2キロから3キロに拡大。
3キロ圏内には民家はないですが、鹿児島県側の宿泊施設2軒への避難を呼びかけと県道を6.8キロ通行止めとしています。
また、3つの登山道も立ち入り禁止となりました。
火山ガスの放出量が1日あたり1万1000トンに達し、火山ガスの放出量が1万トンを超えたのは、2011年1月以来の動きとなります。
噴煙が600メートルまで上昇。
連続噴火が停止したもよう。しかし、今後も油断できない状態は変わらないとの事。
噴火は止まっていますが、火山性地震が100回を超えているため、いつ噴火してもおかしくない状態が続いています。
さらに、同じ霧島連山で新燃岳から5キロ以内に位置する、硫黄山でも23回の火山性地震が発生しています。
ここ一週間ほどは、警戒は継続中ですが特に変わった動きが無い状態を維持しています。
白い噴煙が上空600メートルに上がっているようですが、白いのは正確には噴煙ではなく噴気なので、水蒸気爆発となっています。
ちょっとややこしいですね…
以前の焼岳の時にその違いをまとめていますので、気になるようでしたらそちらをご覧ください。
とはいっても、現在はその点の違いを細かく発表されることはないので、ちょっとしたマメ知識になってしまいますが…

いまのところ、噴煙は大きく上がっていないのですが、火山性地震が3回ほど起きているので、嵐の前の静けさとならなければいいなぁと感じているところです…
約2週間ぶりに火口から半径約3キロとしていた警戒範囲を約2キロに縮小しました。警戒レベル3のままとなっていますが、警戒範囲が縮小したという事は、道路の一部通行止めや国民宿舎などの避難指示も解除される事になると思います。
また、警戒を強めて硫黄山も、噴火警戒レベル2から(火口周辺規制)から噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)へ引き下げられました。
※新燃岳と硫黄山は同じ霧島連山ですが、違う山ですのでごっちゃにならないように気をつけてください。最初に載せてあるマップで、霧島山をズームで見ていただくと分かると思います。
火口から約2キロの範囲は、引き続き警戒するよう求める気象庁からの発表がでています。
噴火に関しては、噴煙が火口縁上400メートルまで上がっている状況。
2018年3月からの新燃岳噴火の現状については、下記のリンクに引っ越ししました。

そんな状態の新燃岳…
観光の影響や、巨大地震との関係については!?
2011年の新燃岳が噴火した時
以前噴火警戒レベル3になった2011年9月7日の時は、宮崎県方面で火山灰がかなり積もったのをはっきりと覚えています。
その時ちょっと用事があって、車で通った道路は新燃岳からかなり離れた安全な市街地でしたが、道路の脇に火山灰が積まれた状態になっていて、道路の中央線が見えないほどだったんです。
バイクで走ると、「雪道のようにタイヤがとられてスリップしてとても怖い」と、友人が嘆いていました。
大して被害のない、私が勤めている会社でも注意喚起されるほどの大量の火山灰が降り積もったのはかなりのインパクトでしたよ!!
私が住んでいる所は、桜島の灰が凄いのですが、ここに住み始めてから知る限りでの桜島の灰は車が見事に覆われる程度ですが、7年前の新燃岳の灰はそんなレベルを優に通り越しているドッサリとした量でした。
新燃岳周辺では、直径4cmほどの小さな噴石が風に流されて、新燃岳火口から10kmを超えて降った記録もあります。
他の火山や南海トラフなどとの関係は??
比較的近い活火山にあたる桜島の大噴火を促すのでは!?
とか、阿蘇山の噴火に影響を与えるのではといったことを心配される方もおられると思いますが、専門家の調査では基本的にそれぞれの火山のマグマの通り道はどれも繋がっていないので問題ないとされています。
でも、タイミングよく他の活火山が噴火する可能性はゼロではないはずなので、こればかりは何とも言い切れるものではないですね…
大地震がきた後は、地殻変動によって火山に影響がでるといったデータがでています。
新燃岳の噴火は巨大地震の前兆??
巨大地震の心配はないとされる見方もありましたが、過去のデータからあり得るとされています!!
この見解に関しては、科学者の人や専門家の人達にとって慎重な面であると同時に、真っ二つに分かれる考え方なのかもしれません。
特に、前回2011年の新燃岳の噴火があった約1ヶ月半後に東日本大震災が発生している点が注目されています。
そのため大噴火の後は、1年の間に巨大地震が起こる可能性が心配されているようです。
データ的にはとりわけ、三陸沖や宮城県沖などオホーツク海での可能性が高いのではと言われています…
しかし、南海トラフや首都直下型地震もあり得るとのことですから、どこで!!とはハッキリと言えないし、起こる!!とも言い切れないのが現状…
しかし、可能性が高まっているのは間違いないでしょう。
とりあえずは見えない所で繋がっているので予測できないなら備えをするしかないですよね!!
改めて避難グッズの点検をしておくに越したことはないでしょう。

地震対策に関しては、阪神淡路大震災の火災原因の6割が通電火災となっていましたので、避難時の火災防止対策も必要になってきます。
巨大地震などの大きな災害時に、愛する家族や恋人などがどこにいるのか分からなくならないように繋がっていられるアプリも注目を集めています。

観光や他の火山への影響は!?
噴火警戒レベル3は、主に入山規制をかけるものですが、場合によっては近隣の住民の避難準備が必要になるほどのものでもあります。
専門家の方の中では、「大規模な降灰や火砕流の発生にも注意を払うべき」といった意見もあるので、今後の動きに注意を払う必要あるのは間違いありません。
場合によっては火口から2~3キロ以内では、小さな噴石の落下の可能性もあると予想されています。
むやみやたらに近づくのはとても危険なので、絶対にしないでください。
観光の際には
少し観光で誤解があるようですが、「霧島温泉辺りも危険のでは!?」といった声がありますが、前回の噴火の時でも危険区域に入ることはなかったので、是非楽しんで頂ければと思います。
霧島温泉のホテルが並ぶ辺りは約6キロ離れていますから、規制範囲の倍の距離は離れているのです。
ただ観光で来られる際には、道路を一部閉鎖にする可能性もあるので、そうした点は事前にチェックしておくことをお勧めします。
※10月15日に警戒範囲を拡大いたため、鹿児島県霧島市は、新燃岳から3キロ圏内にある国民宿舎など宿泊施設2軒に、従業員と宿泊客を避難させるよう呼びかけました。それに伴って県道104号線を約6.8キロ通行止めにしました。
※10月30日に上記でも記載していますが、警戒範囲が3キロから約2キロに縮小されたので、宿泊施設の避難や県道104号線の通行止めも警戒範囲外になるので解除されると思います。
そして、車を運転する際には、火山灰が薄っすらでも積もっているような場所を走行する時には、そこまでビクビクする必要もないですが、スリップする可能性があるので景色に見惚れて危険な運転にならないように注意して安全運転を心がけてください。
観光の影響については詳しくは、リンクの記事をご覧ください。

今後も警戒
現段階(2017年11月時点)では、まだ6年前の噴火ほどではないと実感していますが、自然現象は決して油断できるものではないですから、今後の動きにも注意していきたいと思います。
何か、大きな動きがある時などには、新たな情報を更新していきたいとも考えています。
とりあえずは、警戒を怠らずに気象庁などから出される情報に注意しながら行動していきたいと思います。
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