とてつもない被害をもたらした最強台風21号(チェービー)。
四国・本州上陸の台風としては、滅多にない力をもって通過していきました。
大阪、滋賀、三重、愛知の4府県で40~90代の男女計11人もの人たちが亡くなったのです。
台風発生数として記録的な台風21号(チェービー)は皮肉なことに、被害や大阪で最大瞬間風速47.4メートルを記録するなど、違う意味でも記録的となってしまいました。
まだ、夏台風から秋台風に変わったばかりで、これからまだまだ台風が発生してくことでしょう。現に台風22号(マンクット)が発生していますし、こちらに接近する可能性もありますし。
なので、今回の台風21号(チェービー)の主な被害から、また同じような台風が接近してきた場合に前もって出来ることは何かを考える参考にしていければと思います。
様々な被害から教訓を得る
直接命に関わらないとしても、被害の状況から今後の教訓を得られるものもあります。
台風直撃時に、自然の力の危険性を知り今後に生かしていきたいと思います。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の休園
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が、2日間休園したのは2001年3月末に開園してから初めてのこと。
施設に大きな被害がでたからではなく、園内に散らばったベンチなどを整えるためとしています。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)公式サイトでは、休園と払い戻しのお知らせが掲載されました。
一日の売り上げで数億円の収益ですから、その収益よりも施設の安全確認などに力を入れる必要があったのは、台風21号(チェービー)の威力を示すものともなっていますね…
国指定などの文化財がダメージ
歴史的に重要な国指定などの文化財に被害がでました。
・明石市の明石城巽櫓
・西宮市の西宮砲台と旧辰馬喜十郎住宅
・尼崎市の本興寺と旧小阪家住宅
・神戸市灘区の異人館
・奈良市の春日大社
・京都市の世界遺産・下鴨神社境内の糺(ただす)の森
などの文化財です。
修復不能ではないようなので、徐々に修復作業が開始されと思います。
やはり、歴史的に長く残っているものは災害時にはダメージを受けやすいですが全壊しないのは凄いことです!!前もって暴風対策をしているからもあるでしょう。
しっかりとした、防災処置が大切ですね。
大阪市の天王寺動物園
天王寺動物園では檻が壊れる被害がでています。
まさか猛獣では!?
と思いましたが、フクロウとリスでした。
強風で倒れた木がフクロウの檻を直撃しましたが、フクロウは無事でした。しかし、強風で檻が倒れた二ホンリス1匹が行方不明です…
海外では、虎が脱走することがあることを「日本で野生の虎(トラ)と遭遇!?そんなことある??」で取り上げたので、猛獣が脱走して二次災害にならなくてよかったです。猛獣は草食動物よりも、厳重に管理されているのですが心配要素となりますよね。
琵琶湖の水が引っ越した??
滋賀県では、観測史上最大レベルの最大瞬間風速31.3メートル強風となり、琵琶湖の水が移動するほどでした。
水位は南湖の水が、強風によって押し出されたため、北湖に移動したため2時間の間に1.2メートルもの水位の変動があったのです。
台風が来ると、低気圧なので普段押し付けている気圧が下がるため、本来は全体的に水位が上がるはずなのにあまりの強風で異例の大移動が起きたのです。実に何千トンもの量の水が移動したことになるでしょう!!
水を押し流す風の強さを考えると、台風時にも水害の恐ろしさの意味が想像できますね…
命を脅かす強風の力
直接的に、何がどのように危険になるのかをしっておかないと自分の命を守ることができません。たかが台風と考えているほど被害は大きなものとなってしまいます。
実際に沖縄県与那国島に住でいる時に台風の恐ろしさをまだ知らなかったので、強風にあおられてロープを掴みながら漫画のように少し宙をまったり、車で走行中に何度も高波に呑まれいまではよく無事だったと思う経験をしているので、台風の恐ろしさがいまでも頭をよぎります…
そうならないためにも、強力な台風直撃時には注意力や注意意識が必要となりますので、しっかりと身に着けておきたいと思います。
身近なものが凶器となった!!
強風で以外に思えるものが飛んできて命を奪いました。
大阪市城東区では、門の扉が飛ばされ50代の男性に直撃し死亡。
大阪市西区では、クーラーボックスが飛ばされ40代の男性の頭部を直撃し死亡しました。
どちらも路上で起きていることから、強風時の外出がいかに危険な状態となるのか分かります。
また、台風がくると分かっている時には「これぐらいはいいだろう」と考えるのではなく、門を縛って固定するなどの対策や、外に置いてある物は屋内や倉庫などにしっかりと片付けておくことの重要性を示すものともなっています。
しかし、大阪市港区のマンションでは屋内に飛んできたスレート材が窓を割って凶器と化したため、70代の女性が亡くなっています。マンションは8階だったにもかかわらずです!!
飛来物がマンションなどの窓を突き破る事故は他にも起きています。たとえ上層階であっても、油断できないのです。
ですから、屋内であっても窓が割れてその破片が刺さるなどの危険もおおいにあり得ます。
窓から外を撮影する動画が、SNSやYouTubeでたくさんアップされていますが、もしカメラで外の状況を撮影する時には三脚など何かで固定した状態で録画し、自分は飛来物が飛んでくる可能性がない部屋に避難しておくなどの対処が必要です。
経験豊富な沖縄の島のオジーも、「飛んできたトタン屋根は首をはねる」と言っていた通り、様々なものが凶器になります。たとえ、雑巾であっても窓を割るのに十分な力があるので飛来物は恐ろしい凶器であることは忘れないようにしましょう。
強風時に外に出ることは、銃弾の飛び交う戦場に出るようものなのです。
大規模停電となった電柱たち
あまりにも強い風によって、何百本もの電柱がなぎ倒されてしまい大規模停電となりました。
倒れてくる電柱は、長さ約7~17メートル、重さ約290~2500キロもあります。
そんな巨大で重いものが倒れてきたらひとたまりもありません。
そして、切れた電線によっては約6600ボルトもの電流が流れています。
もしその切れた電線に触れると、筋肉が急激に収縮します。手のひらや指は強く握った状態になり自力で広げることはできません。
感電している人を助けようと手を伸ばすと、自分も感電してしまい離すことができなくなります。
なので、切れた電線には絶対に近づかないことです。
もし切れた電線を発見した時は、すぐに電力会社に連絡するのが最善です。雨が降っていれば水を伝ってくるので特に要注意です!!
台風時の高潮の恐ろしさ
台風21号(チェービー)で、強風もですが高波の恐ろしさがより明らかになったのではないでしょうか。
兵庫県西宮市の中古車オークション会場「LAA関西会場」で、車100台以上が炎上し爆発しました。その原因の一つが高波です。約1300台の車が東側に流したのです。
強力な台風が直撃する時に、満潮などの条件が揃うと高波はもはや津波のようになります。
その恐ろしさについては、「高波 – 決して甘く見てはいけない –」で載せた通り時として、10メートルを優に超える波が単発的に何度も何度も押し寄せてきます。
実際に、与那国島で普段走りなれた道路を車で走行していた時に高波に直面したのですが、絶対に越えてこないと思っていた崖を余裕で乗り越えてきて、何度も波に呑まれました。全く前は見えなくなり、ハンドルもとられて生きた心地のしない恐怖でした…
台風21号(チェービー)でも、関西空港の被害が実に高波の恐ろしさを示すものでしたよね。
関西空港の空港島に停泊していた、船体の長さ89メートル、総トン数2591トンのタンカーが風と波に流され関西空港の連絡橋に衝突しました。それだけ波の力が強くなっていたのです。
さらに関西空港は高波によって浸水していき、押し寄せる高波であっという間に水没状態へとおいやったのです。そのため、3000人以上の人が空港に閉じ込める事態となりました。これは、1994年に開港してから初めての事態となっています。
もし、南海トラフで津波が発生していたらと考えると恐ろしくなりますね……
高波は、条件によってはほとんど津波と変わらないような状態になります。
しかも、津波よりもサイクルが早く何度も押し寄せてくる恐ろしい自然災害だと断言できます。
ですから、海の近くに住んでいる場合は台風が接近して避難できなくなる前に、早い段階で安全避難などに身を寄せるようにして対処しましょう。
台風慣れしている沖縄県民は台風の対策が早い!!
沖縄県は、台風21号(チェービー)よりも強力な台風がくることが当たり前。
私が住んでいた時にも、最大瞬間風速が60メートルを超える台風がくることも珍しくはありませんでしたよ。
そのため、台風の時の危険意識というよりも台風対策や暴風対策はして普通のことでした。暴風対策は台風接近の前日には済ませていました。
停電もするものだと思っているので、ライトやラジオの準備をして、前日から缶詰やカップラーメンを買いに行くため小さな商店は完売状態でした。
物が飛ばないように仕舞うか縛るなどして固定し、バイクや車も安全な場所にしまい込むなどすることで、周りの家に迷惑がかからないように気を付けていました。まさに「ゆいまーる」精神!!
台風最接近時は、外出することはもちろんありませんので学校は休みですし、仕事は休みか強風域を抜けるぐらいの時から出勤するなどして、危険な時間帯は避けています。
なので、大きな被害に発展することはそうそうありませんでした。
こうした台風に対する正しい見方をしっかりと培いたいですね。いままでは、そうそうなかった非常に強い台風の上陸も温暖化の影響もあって、海水の温度の上昇や気圧配置の変化で台風のルートは確実に変わってきています。
ですから、いまからは台風21号(チェービー)のような台風がくるものと思っておくぐらいの心構えを持ち続けることが、防災&減災の要になってくることでしょう。
会社の考え方も変わってくるといいのですが…
南海トラフの懸念もありますから、災害は「来る来るといってこないもの」ではなく、「いつ来ても大丈夫」な状態で身構えたいですね。





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