小さな死の運び屋 – マダニ –

マダニ

「野良猫にかまれ50代女性死亡」この見出しのとてもショッキングなニュースがありました。
その根本の原因となったのが猫ではなく、私たちの生活圏のすぐ身近な生物である「マダニ」でした。

その小さな危険生物であるマダニに対して、何か対策法を取る必要があるのでしょうか?
猫を始めとするペットを飼っている人の気を付けるべき事とは?

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マダニでなぜ死に至るのか

運ばれるウイルス

そもそも、マダニに特有の毒があってそれで症状がでるわけではありません。

マダニを介して重症熱性血小板減少症候群(SFTS)というウイルスに感染する事で、様々な症状が表れて重症化する事で死に至るのです。

つまり、マダニがそれと知らずに死のウイルスを運んでしまっているわけです。

猫から感染

野良猫にかまれて亡くなってしまったのは、SFTSに感染し発症して弱っているとみられる野良猫を親切に助けようとして、その猫にかまれてしまい感染してしまったのです。

マダニ → 野良猫 → 人間

といった経路によって感染至ったわけですが、マダニから直接ではなく、一度動物を介しての感染は国内で2013年に初めて日本でSFTSの感染が確認されてから初めての事例となっています。
まさかの、出来事となってしまったわけです…

SFTSに感染したらどうなるのか

感染と症状は以下のようになっています。

潜伏期間:

マダニにかまれてから、SFTSに感染すると6日~2週間程度の潜伏期間を経て発症します。

症状:

発熱、腹痛、下痢、食欲不振、吐気、おう吐がよく見られる症状となっています。
さらに、頭痛、筋肉痛、意識障害などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血などの出血症状といった重い症状があります。
他にも、白血球や血小板の減少により血が固まりにくくなるなどの症状もあります。
とりわけ、高齢者の方は重症化しやすくひどい場合は7~10日で死亡する事がわかっています。

致死率:

いままでの日本国内でのデーターから、致死率は6.3~30%とされています。
決して低い数値ではないので、注意が必要です。

 

個人的な経験ですが、妻の母が仕事中に首の後ろをマダニに噛まれているのに気付いてから体調を崩しました。

熱は37.5℃~38.2℃ぐらいだったのですが、あまりにも体調が悪くなってしまったので病院で診てもらったところ、首の左のリンパ節が腫れていて白血球の数値が正常範囲では、1マイクロリットル当たり4000~11,000個なのですが、血液検査の結果2200個になっていました。吐気と食欲不振にもなっていたので、病院で点滴をして1週間分の抗生剤をもらいつつ経過観察に。
1回目の受診から3日後にまた点滴をしてもらいましたが、相変わらずフラフラの状態のまま…

ちなみに、病院の診断は「おそらくダニでしょう…」といった感じだったようです。
年齢が6才を過ぎているので、リンパ節の腫れから癌(がん)も疑ってCTを撮るなどの半日がかりの診断でしたよ。

日本国内での死亡例

SFTSが2013年に国内で初めての感染が確認されてから、266人が感染し57人が死亡しています。

県別に多い順に並べてみました。
※この表では265件となっています。

マダニによる被害マップ

 

この表からはっきりとわかるように、SFTSの感染は西日本に集中しているという事です。
特に、九州地方が目だって多くなっています。

北海道でもマダニ被害はあります

しかし、北海道などでもマダニを媒介とする別の感染症で、インフルエンザに似た症状になるカナダのロック歌手、アヴリル・ラヴィーンもかかったことのある「ライム病」や、繰り返し発熱し髄膜炎などを引き起こすことのある「回帰熱」の症例はあります。
「ダニ媒介性脳炎」を発症して亡くなってる方もおられるので、マダニの危険性は一部の地域に限られたものではないので注意してください。

SFTSに感染してしまったら?

感染経路:

マダニを介して感染しますが、マダニからSTFSに感染した人や猫、犬、イノシシやシカなどの動物の血液や便などの体液からも感染してしまいます。

治療法:

現段階では、根本的な治療薬となる薬やワクチンは存在していません。
そのため、対症療法を行なうにとどまっている状態なので、SFTSは重症化すると死のウイルスとなっています。

 

ですから、感染しないように予防を心がけることが重要です。

毛に着くマダニ

マダニ予防で出来ること

マダニは私たちのすぐ身近に、生息しています。

大きさ:

マダニの種類だけで、50種類ほどいるのですが大体2~4㎜程度がほとんどなので肉眼ではっきりと見える大きさです。
ただ血を吸ってパンパンに膨れると、1cmを超える大きさになるので一見すると同じ生き物には見えないほどになります。

生息場所:

森や草むらに、たくさんいます。
決して珍しい生き物ではないです。
20㎝以上の草で湿気の多い草むらなら、街中の空き地であっても日本全国で生息しています。
特に笹の葉を好んで潜んでいるので注意してください。

活動時期:

5月~9月が最も活発に活動しています。
レジャーシーズン時期が、ちょうどマダニの活動時期のピークと重なっていますね。

服装に気を付ける

キャンプなどのアウトドアを楽しむ時には、可能な限り肌の露出を避けるだけで予防効果が高くなります。

頭、腕、首、足を守るために、帽子や長袖のシャツ、首にはタオルを巻くなどし、丈の長いパンツを履くのが最善です。

とは言っても、なかなかそうもいかないでしょう。

虫よけスプレーでガード

100%寄せ付けないわけではないですが、マダニは2種類の成分の虫よけスプレーを嫌います。

ディート(Deet):

濃度によって子供の使用を避ける必要があるので、注意してください。
濃度には差がありますが、効果の強さではなくて持続時間の差となっています。
30%のものは、2016年に認可がおりるようになったものです。

・5~10%と12% 生後6ヶ月の子供には使用禁止
持続時間 5~10%は約1~2時間 12%は約3時間
・30% 12歳未満の子供には使用禁止
持続時間 約6時間

 

イカリジン(picaridin):

2016年の秋に認可された新たな成分です。
とは言っても、新たな開発ではなく1986年にドイツで開発されているものなので、それなりの歴史がある成分です。
こちらは特に規制はありませんので、小さな子供にも使用できます。

・5%  持続時間 約6時間
・15%  持続時間 約6~8時間

ネットショップでは、ディートやイカリジンの配合量が記載されていないショップもあります。
安全面を優先するならば、しっかりと記載されているショップで確認して選ぶようにされるといいと思います。

両成分とも蚊にも有効なのですが、イカリジンの方が少し割高に傾向にありますので、状況に合わせて選択してください。

洋服や体をチェックしておく

マダニがいそうな所に近づいたあとは、家の中に入る前にしっかりと払っておきましょう。

また、お風呂に入った時に体についていないかをチェックしておくことも大事です。

娘がまだ小さい頃に、髪の毛の中に血を吸って大きくなったマダニがついていた事が2度あったので、小さいお子さんがいる場合は、脇の下や耳の後ろ、髪の毛の中などに紛れている可能性があるので、確認してあげるといいと思います。

まだ、ついたばかりのマダニはちょっとした小さなホクロのようにも見えますので、ある意味では見逃しやすく、ある意味では見逃しにくい感じです。

ペットのマダニ予防を忘れずに

子猫にも予防しよう

基本的には、SFTSは犬や猫などには感染しにくいです。
ですが、100%感染しないわけではないです。

しかも、最近はマダニがついている率が高くなったと感じている飼い主さんが増えてきています。

ですから可能性な限り、散歩の時などには草むらを避けるのは一番ですが、そうは言っても犬も猫も喜んで入っていってしまいますよね。

一番予防策は、フロントラインを塗布してあげれば1ヶ月ほどは有効なのですし、もしマダニがついていてもマダニを48時間以内にほぼ100%駆除してくれるので最善の方法です。

まとめ買いしておいても未開封なら、2~3年は使用期限があるのでペットの身を守り、そして自分も身も守るためにも備えておくのもありかもしれません。
マダニの活発な時期の5月~9月だけでも使用すれば、大きな予防効果を発揮してくれると思います。

フロントラインは、効果が高いうえに持続期間が長いのでとても便利なのですが、ペットにもできる限り薬を使いたくないという方もおられるのではないでしょうか。

個人的には無添加のものが好きなので、少し手間はかかりますけど、天然エキスの虫よけスプレーもあります。

効果時間が2~3時間程度となっていますので、室内犬であれば散歩の前に使用して行けば十分ですよね。

人間にも使用可能なので、小さな子供にも安心して使えるのでおすすめアイテムです。

もしマダニが吸い付いていたら

病院でとってもらう:

病院に行く
これが、一番安全な方法です。
外れたあとの状態も確認してもらえるので、皮膚科に連絡して確認してから受診しましょう。

 

自分で取る:

自分で無理矢理取る
可能なのですが、リスクが伴います。
ちょっとしたことでマダニの体の一部が残ってしまったり、つままれる事でSFTSのウイルスが勢いよく流れ込んでくる可能性もあるからです。

アルコールなどを付ける、吸い付いている口を離すのを待つ方法がリスクは低いですがそのまま死んでしまう場合もあるので、ノーリスクとはなりませんのでご注意を。

まとめ

長文になってしまいましたが、マダニによる死亡数は年間平均すると15件近くに上るので決して侮ることのできない危険生物となっています。
ですから、この小さな死の運び屋に注意しながらレジャーシーズンを楽しみましょう。

 

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